臨床心理士・尾崎健一の視点
どういう会社と付き合うかは自社で決めればいい
会社が急成長するときには、内部統制のほころびから大きな事件が起きることが往々にしてあります。今回のケースへの対応だけでなく、会社として「どのくらいの規模に拡張していくのか」「どういう会社を目指すのか」という大きな方針を決め、それに応じてルール化をどの程度進めるか、社内のコンセンサスを取っておいた方がいいでしょう。
社内ルールの決め方については野崎さんに譲るとして、私としてはドレスコードを定めない方向もあると思います。会社として「エンジニアが自由に働ける環境をつくる」と掲げる会社なら、一件の顧客クレームに左右される必要はないのかもしれません。アメリカのシリコンバレーの創業者たちによって、「企業経営者はダークスーツにネクタイ」という常識は覆されました。そういう雰囲気を受け入れない会社と付き合うかどうかは、会社が決めることですし、ルールによる締め付けによって失われるものも少なくないと思います。