決めるのは「患者自身」。家族は情報収集の手助けを
患者会の情報を集めるには、やはりインターネットが便利だが、親世代は不慣れで情報をうまく集められないことも少なくない。がんについての最新情報は、国立がん研究センターがん対策情報センターのサイトなどでも紹介されており、ネットに慣れた子ども世代が支援できることは多い。
とはいえ、いくら情報を集めても、家族の意向と患者本人の希望がすれ違ってしまうこともある。例えば、患者本人が「高齢で負担の大きい手術をするより、穏やかな代替療法を受けたい」と希望しているにもかかわらず、妻や子どもに「とにかく治療を受けて1日でもいいから長生きして」と求められて患者に負担がかかっているケース。
逆に、比較的若い年代で進行が速く、本人は「最先端治療を受けたい」と願っていても、金銭的な負担が大きいために家族から反対されているケースもある。
がん治療は、受けてみないとはっきりした効果がわからないものが多く、どんな治療にも副作用のリスクは少なからずある。自身のがんの状態、いまの年齢、今後の人生の送り方、金銭状況、家庭環境などによって、どの治療が最適ととらえるかは個人の価値観が大きく関係してくる。
自分にとって最適な治療は何か、選択肢のなかからどれを選ぶかを決めるのは、患者自身であることを忘れないようにしてほしい。そして、家族にできることは、情報を集めたり、治療がつらいのであれば話を聞いてあげたり、サポートしてあげることなのだろう。