臨床心理士・尾崎健一の視点
「代償措置」を設けるなど納得できる条件とセットで
労働条件の不利益変更を行うことによって、社員の反発を受けることは十分に予想されることです。できるだけ円滑に合意を得たいと思うのであれば、手続きの正当性を主張するだけでなく、社員が納得できる条件面の内容を揃えておくべきです。「社員が会社を支えている」という創業者の考えを尊重することも、企業経営においては重要でしょう。
納得性を高める方法のひとつは、野崎さんのコメントにもあった「代償措置」を設けることです。例えば、バースデー休暇を廃止する代わりに記念品を贈るとか、有給休暇の取得率をあげたり休日出勤の日数を減らしたり、特別休暇を減らした分を給与に反映させるなどの制度を組み合わせることが考えられます。変更が大きな場合には、移行措置を設けることも社員の納得を得やすいでしょう。また、稼働時間を増やすことが目的であれば、特別休暇は変更せず、休日出勤を増やしたり、残業手当を割増したりする方法もあるかもしれません。