人は簡単に変われない 企業は人を入れ替えるしかない

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

ある技術を持った人が、場所を移ることで花開く

   日本ではどうしても、いままで別のことをやっていた人材に新しいことをやってもらおうとします。人の行動を変えることによって、企業を変えようとします。

   解雇できなければ、社内の配置転換で対応するしかありません。すると家電しかやったことがない人が、時代の流れでしかたなくネットに取り組まざる得なくなり、「クラウドサーバー経由で洗剤や柔軟剤の量や衣類や汚れに合った洗濯コースを選んでくれる洗濯機」を35万円で発売してしまったのかもしれません。

   シャープやソニー、パナソニックなどの会社は、古くなった人材を解雇し(もしくはM&Aで切り離し)、コアの事業に集中しつつ、新しい人材を雇い入れることでしか劇的な復活は見こめそうにないと思います。そしてそれが、企業再生の王道です。

   解雇規制の緩和がようやく成長戦略のひとつとして討論されるようになってきましたが、このような人の入れ替えができることが、企業が変わるための条件なのだと思います。

   例えば、ソニーで電池をやっていた人は、ソニーではもう用がないかもしれない。ただ、彼の電池の技術を欲しているところは他にあるかもしれない。自動車会社にいけば、電池の技術が電気自動車に生かせるかもしれません。

   自動車メーカーでは、ガソリンエンジンを作っている人は先がないかもしれない。しかし、産業用や特殊な機械の分野では、まだまだエンジンのニーズがあるかもしれないし、それを掘り起こすベンチャー企業もあるかもしれません。

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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