臨床心理士・尾崎健一の視点
ルールを設けて運用すれば野放図にならない
例外的な行為をするときには、上司に報告、相談するのが原則でしょう。終電に間に合いそうにないことを上司に報告し、事前にタクシーで帰ることを了承してもらっていれば、こうはならなかったと思います。深夜に寝ている上司をたたき起こして許可をもらうのは気兼ねするかもしれませんが、仮に電話に出なかったとしても、それによって言い訳ができた気がします。
「終電前に帰るべき」「始発で来て続きをやればいい」という意見もありそうですが、システム障害などで緊急対応が必要になることはありえます。そういうときには、やはり担当者に対応してもらい、交通費は会社が出すのが当然でしょう。A君もきちんと仕事をしていたようですし、今回はタクシー代を出してあげてもいいのではないでしょうか。そのうえで、深夜タクシーで帰っていい場合を例示し、必要に応じて上司に報告するなどのルールを決めておけば、野放図になることはないと思います。