野菜の摂取、適正体重、疲労やストレス軽減も重要
がんの再発防止と生活や食事との因果関係は、米国対がん協会がまとめた「第二版報告書」(2003年)も参考になる。さまざまな生活習慣について、「再発防止」「QOLの向上」「生存期間の延長」といった観点で、「利益があるかどうか」を判定している。
たとえば「野菜や果物の摂取量を増やすこと」は、乳がんや大腸がん、肺がん、前立腺がんにおいて再発予防に取り入れる価値があるとされる「A2判定」(おそらく確実に有効性がある)や「A3判定」(有効な可能性がある)となっている。
がんの食事療法では、大量の野菜・果物ジュースがすすめられるものが多いが、この結果を考えると再発予防のための選択肢のひとつになるだろう。
また、「適正体重の維持」や「運動量の増加」は、乳がんと大腸がんでそれぞれ「A2判定」、「A3判定」とされている。肥満の防止だけでなく、治療で体重が減ってしまった場合には栄養を十分とって適正体重まで戻すことが大切だ。
外出するのがおっくうになって家に閉じこもったり、栄養バランスの崩れた食事をとっていたりしていると、がん再発のリスクは高くなるだろう。発がん性物質を含むタバコや過度な飲酒も立派なトリガーとなる。
極端な心身の疲労や過度なストレスもよくない。治療後しばらくは無理をせず、再発したらどうしようとクヨクヨせず、目標や楽しみを見つけて生き生きと暮らすことも重要。がん体質を改善できるかどうかが、再発予防の分かれ目になりそうだ。