「『クリィミーマミ』が大好きでした!」
「『BIN・KANルージュ』をフルで歌えますよ」
このコラムをはじめて以来、なぜかは分かりませんが、『魔法の天使クリィミーマミ』が好きだったんですとカミングアウトする知人が増えました。私が見習いのとき、少しだけ関わらせてもらった作品です。
クリィミーマミは、80年代につくられたスタジオぴえろの魔女っ子シリーズ第一作目で、いまでも根強い人気のアニメです。キャラクターデザインを担当した高田明美さんのマミのイラスト展も定期的に開催されています。
鮮やかに蘇る「パンプルピンプル~」
それにしても、現在30代のマミファンは男女ともにアツイ。知人のひとりはマミ熱が高じて、日本のポップカルチャーや「かわいい(kawaii)」文化を研究する社会学者になってしまいましたが、それだけクリィミーマミのインパクトが大きかったということでしょうか。
私たちの脳の記憶力は17歳がピークといわれます。学生時代に好きで観ていたテレビ番組や、何度も歌ったアニメの主題歌を今でも歌詞を見ないでも歌えるという人は多いと思いますが、たしかに10代のときに憶えたことは今でも鮮明に記憶されています。
『魔法の天使クリィミーマミ』が放映されていたのは、1983年(昭和58年)。東京ディズニーランドが開園し、ファミコンが発売され『ドラクエ』が爆発的に売れて、『気くばりのすすめ』『積木くずし』がベストセラーになり、松田聖子が大流行した年です。
アラサーのマミファンも当時は小学生。東京ディズニーランドに連れて行ってもらったり、ファミコンを買ってもらった人もいるでしょう。学校や家で友だちと、「渚のバルコニーで~♪」と歌ったり、魔法の変身スティックで遊んでいたこともあったのかも知れません。
「パンプルピンプルパムポップン♪」は、クリィミーマミがステッキをふりながら唱える魔法の呪文です。小学校のときにこのリズムで育ったアラサーのマミファンは「パンプルピンプル~」の呪文とともに、子どものころの楽しかった思い出が鮮やかによみがえってくるのでしょう。