現場に遠慮している社長ならハシゴを外される
実はこの問題について、まだHさんに回答していません。最初はHさんが得意とする業務の抜本的な見直しに賛同しようと考えていました。社長の指示と現場のやり方がつぎはぎになっているところがあり、仕事のしくみを組み立て直す必要があると思ったからです。
しかし、合理的なリエンジニア手法を進めようとしても、社長が現場に遠慮しているようでは、途中でハシゴを外されかねません。社長の指示が守られない本質的な理由は、結局はそれを許してきた「経営=社長」の姿勢にこそあるのではないかと思うのです。
私はHさんに、まずは社長の姿勢の変化を明確に全社員に向けて示すことが必要だと言い、機会をいただけるなら私からも社長に意見を述べるつもりです。
トップの問題意識を形にして示す方法は、「第二創業」でも「新たな挑戦」でもかまいません。とにかくこれまでの経営者の“モグラ叩き”的な姿勢を改め、「根本的な変化を起こすぞ」というトップの意思を社内に示すことが肝要です。
それともうひとつ、反対勢力がある時には、その中心人物もまたプロジェクトに巻き込んで改革をすすめること。I部長含め古参社員の進退を決めるのは、それからでも遅くないでしょう。とりあえずHさんには、このような提案しておこうと思っています。(大関暁夫)