女性のファッションに対する職場の感覚は、ここ数年で大きく変わっているようだ。数年前まで「茶髪の新人が。信じられない」「長いネイルでパソコン打てるのか」と批判されていたが、いまでは仕事に支障がない限り、自由という会社が増えているのではないか。
とはいえ、次々と新しいファッションアイテムが出てくると、「これは本当に大丈夫なのか」「なるべくやめておいた方が無難」と腰が引けるのも事実。派遣スタッフの教育研修を担当するある社員は、新人から「まつエク」「アイプチ」への質問にさらされて、頭を抱えている。
「していない姿、彼氏にも見せないのに…」
――中小派遣会社の人事担当です。来月から派遣する新卒スタッフに研修を行なっているところです。いまのところ、基本的なあいさつなどのマナーが中心です。
そこで出席者から、服装では何に気をつけたらいいのか質問されました。原則的には派遣先のドレスコード(服装規程)に合わせ、キャミソールやタンクトップなどは仮に派遣先の社員が着ていても真似しないなど最低限の基準について説明しました。
すると出席者から、こんな質問が次々と出されました。
「あの、メイクってどこまでやっていいんですか」
「つけまとか、まつエクはいいんですよね」
「わたし、アイプチ常用してるんですけど」
いちおう社内のマニュアルには、化粧はナチュラルに見せて好感を持たせるということになっていますが、最近一般化している「つけま」(つけまつ毛)については、特に言及はありません。
ましてやアイプチのような二重まぶた用のシールや糊、まつげを伸ばす「まつエク」(まつ毛エクステンション)などは、まったくの想定外。そこで「なるべくやめた方がいいと思うんですが…」と答えたところ、自信のなさがバレたのか、
「えー、つけまがないと困ります」
「アイプチしてない姿、彼氏にも見せないのに…」
などと反論が続々。結局は「部に持ち帰って検討してから回答します」ということにせざるを得ませんでした。こういうことは他の会社で、どうやって対応しているでしょうか――