禁煙すれば「半年で10万円の得」になる?
刈谷弁護士によると、ポイントは「喫煙を継続しても現状に変化はない」点だという。
「現状に変化がなく、単に上乗せするボーナスであれば、評価項目が一つ増えるだけですから強制していることにはなりません」
評価項目は会社の専決事項であり、仕事以外の要素を入れても問題ない。とはいえ、仕事と無関係の要素を入れすぎれば、社員のモチベーションを下げるだろう。
刈谷氏は、法律問題とは関係ないと断ったうえで、「喫煙者は禁煙するメリットが非喫煙者より大きいと考えると、禁煙に踏み切りやすいのではないか」と提案する。半年間の禁煙によって、1日ひと箱440円×180日として7万9200円の節約となる。
「これにボーナス3万円を上乗せすると、禁煙の経済的メリットは半年で10万円を超えます。取り方によっては、喫煙者は禁煙者よりも大きなメリットを受け得る立場にあるということになるので、これを機に禁煙してみてはいかがでしょうか」
半年で10万円は小さくない。この計算を知ったらFさんも、社長の提案を受け入れる気になるのではないだろうか。