リオ五輪までに「8Kテレビ」放送もスタート
高精細テレビには、国も注目している。総務省は4Kテレビを2014年のサッカーW杯ブラジル大会までに実用化し、さらにハイビジョンの16倍の解像度を実現する「8Kテレビ」の試験放送を2016年のリオデジャネイロ五輪に合わせてスタートさせる方針を示している。
3月27日にはNHKが制作した8Kスーパーハイビジョンによるショートムービーが、総合テレビで作品の一部が放送された。5月にはカンヌ映画祭に合わせて現地で上映会を開き、映画関係者にお披露目されるそうだ。
高精細動画が新しい映像表現を開拓すれば、それを使ったコンテンツも増え、それを完全な映像で見たい人にハード機器が売れる――。すでに東芝や日立はテレビの国内生産から撤退したが、4Kテレビの好循環が起これば、再び国内での生産が行われるかもしれない、というのは期待しすぎだろうか。
安くて使いやすいテレビの生産は、新興国に移るのが当然だ。しかし新しい技術が、新しい市場を生むことも歴史が証明している。「これ以上に映像の美しさは求められていない」と言う視聴者を圧倒する新商品を日本メーカーが出せることを期待したい。(岡 徳之)