「ら抜き言葉」は、そんなにいけないものなのか

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属していた集団の「知的レベル」が分かる?

   西出氏自身も、ある言葉を「ら抜き」で使っていた時期があり、41歳のときに他人から指摘を受けて直した経験があるという。国内には「ら抜き」が標準の地域もあり、その影響を受けている人もいるので、いちがいに無知が原因とも言えない。

   もしも新人が「ら抜き」で話していても、まずは伝えたいことについて耳を傾けた後で、相手が言葉遣いを知らないようであれば、やさしく忠告すればよいという。

「近年の若者は、大人からの忠告を経験しないまま社会人になっている人も少なくないという現状があります。しかし、新人研修などで、注意や指摘をすると『こんな風に今まで言ってくれる人がいなかったのでありがたいです』と口にする若者も少なくありませんよ」

   一方で、「ら抜き言葉」は人材をフィルタリングする上で、それなりに役に立つという考えを持つ人もいる。あるITベンチャー企業の人事担当者は、言葉遣いから「学生時代にどの程度の知的レベルの集団にいたか」を推測する材料にしているという。

「他人と会話をしていれば、普通は『ら抜き言葉』に違和感を抱いて修正できるはず。それができていないということは、その程度のレベルの集団に属していたという判断をしてしまいます。コミュニケーション能力にも関わりますし、ハイレベルなプログラマーを除けば採用に当たって考慮に入れざるを得ません」

   学歴だけでなく、日常的に知的水準の高い集団に属している人は意欲も高く、自分の頭でものごとを考える習慣があるという。言葉遣いひとつでそこまで見透かされることを考えると、やはり油断はできないのかもしれない。

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