将来海外で働きたいという人から、「会社の仕事は順調ですが、オフの時間に何をすればいいですか?」と聞かれることがあります。私の答えは、いつも決まってこうです。
「語学です。まずは、英語。行きたい国があるなら、その国の言葉もあわせて勉強してください」
そして、オフの時間に最低限レベルまで学習するだけでなく、できればチャンスを掴んで仕事の場でも練習することが望ましいです。
語学力は、実践で使えば使うほど上がります。たとえ面倒な仕事でも、実践練習の場だと思えばおいしい仕事になります。これを繰り返すと、あなたの人生の選択肢はより一層広がっていくと思います。
英語を苦手にしている上司なら大チャンス
英語ができることは、会社で国際的な仕事にアサインされるための最低条件です。ほとんどの国際的な仕事は英語で行われますし、資料も英語で書かれています。エグゼクティブやスーパー技術者でもない限り、いちいち通訳をつけてもらえません。
社内で国際的な仕事をしたいなら、英語学習をしていることを社内にアピールすべきです。じっと待っていても、あなたが家でやっていることを察してくれる人はいません。「今、英語を勉強しています。英語の仕事を振ってください」と(うっとうしがられない範囲で)多くの人に伝えるべきです。
上司が英語を苦手にしているなら、大チャンスです。英語で電話がかかってきたり、英文メールが送られてきたりしたとき、上司は「ちょっと代わりに電話に出て」「メールの内容教えて」「返信書いておいて」と、面倒な英語仕事を振ってくれるでしょう。
もしそれが守備範囲外の仕事であったとしても、ニコニコして「お任せください!」とこなしてしまいましょう。これを繰り返すと、上司の頭の中であなたは「英語ができる便利な奴」というキャラ設定がなされます。
そのうち、上司が他部門や取引先に、あなたの名前を出してくれるかもしれません。たくさんの人に「英語ができる奴」と認知されると、英語を使う仕事にアサインされるチャンスが増えます。そして、英語で仕事をこなして実践経験を積むことで、あなたの英語力はさらに上がっていくはずです。
口では何とでも言える。実行に移し結果を出すこと
英語力をアピールする場合には、「実績」を一緒に添えることも大切で、TOEICの点数もそのひとつです。TOEICの高得点は必ずしも「英語が話せる」と同じではありませんが、少なくとも「点数が上がった=英語の学習をしている」証明にはなりますので、上司の信頼を得るためには非常に重要です。
もしあなたが、仕事をしてみたい国があり、会社がその国と取引しているのであれば、これと同じことをその国の言葉でやってみましょう。インドネシアで仕事をしたいのであれば、まずは「インドネシア語検定」に合格することが効果的です。
多くの日本人はそんな検定を受けようとも思わないし、何級がどの程度の難しさなのかも知りません。しかし、検定に合格した事実はインパクトがあり、
「あいつ、インドネシア語勉強してるらしいんですよ」
という評判は広がりやすくなります。どんなに易しい級でも、それを持っていれば勉強をしているのは間違いありませんし、容易に他人と差別化をすることができるのです。
これは海外の日本企業に転職する際にも言えます。面接の時に「これからインドネシア語も学んでいきたい」というのと、「すでにインドネシア語を学び始めていてE級を取得しました」と言うのでは、相手に与えるインパクトが全く違います。
結局、口では何とでも言えるので、まずは実行に移すこと。そして、その結果を目に見える形にすることが大切なのです。(森山たつを)