日本と海外で乖離するスマートテレビの在り方
日本の家電メーカーはスマートテレビの開発を進めているが、テレビとは別ジャンルの企業も市場に参入し始めている。現にKDDIとソフトバンクモバイルが、従来のテレビに専用のスティック型端末を接続することで「スマート化」させるサービスを2月から開始。そのほかゲーム機も、スマートテレビを実現する端末として進化すると見られている。
日本ではまだ黎明期といっても過言ではないスマートテレビだが、海外ではすでに市場が活性化。GoogleやAppleなどの大企業は、数年前からスマートテレビの端末を発売。海外のテレビ市場で高いシェアを誇るサムスン電子やLGエレクトロニクスも、スマートテレビを送り出している。
ただし、日本と海外ではスマートテレビの内容が異なる。海外ではGoogleやAppleが中心となり、PCのディスプレイをそのままテレビに代えたようなスマートテレビを発展させてきたが、日本のスマートテレビはそこまで「パソコン化」せず、あくまで「テレビの多機能化」といった様相が強い。これは、放送と通信の融合に対する意識の差などが一因と考えられる。
日本家電メーカーの業績不振がニュースとなっている昨今。背景のひとつとして、世界市場における日本のテレビの人気低下が挙げられている。その面からも、各社がスマートテレビについて今後どんな戦略を取るのか、注視していった方が良さそうだ。 (有井太郎)