これが今どきの入社式? 「親への感謝」「子どもにエール」で涙、涙…

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「個人の自立」呼びかける声が高まる中で…

   ただ、入社式に親や家族を絡めるイベントを冷ややかに見る人も。都内のIT企業で人事を担当する40代男性は、会社の意図を「あざとすぎる」と批判する。

「会社に帰属意識を持たせ、短期的な離職率を下げるための施策だろう。しかしこれからの時代は、社員に独り立ちできる力をつけさせるのが課題ではないか。社員に『この会社に骨をうずめたい』と期待させることが得策なのか疑問がある」

   東京・巣鴨の商店街で「めざましテレビ」のインタビューに答えた67歳の男性は、子どもを甘やかせ気味の入社式に「親が悪い。これから自分ひとりで歩かないといけないのに、とんでもないですね」と苦言を呈していた。

   業績悪化が続く大企業では、社員に危機感を高めるよう呼びかけるあいさつが目を引く。パナソニックでは、津賀一宏社長がこうハッパをかけたという。

「『この会社に本当に入ってもいいのか』と不安を抱いている方もいるかもしれませんが、一刻も早く普通の会社に戻すことを頑張らなければならない」

   国や企業に頼らず、個人がたくましく自立すべきという意見を目にするようになった時代に「お父さんお母さんありがとう」だけでやっていけるのか――。

   米国で駐在員をしていた元商社マンによると、「米国のメディアで入社式が話題になることはなかった」という。大規模な新卒一括採用もなく、新入社員もスキルアップしたら、よりよい条件を求めて転職するのが当たり前。会社も「入社式」など重視せず、やってないところがほとんどだったそうだ。

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