早いもので、もう4月ですね! 日本の会社では新年度で異動などがあり、職場が新しい雰囲気に包まれているところも多いと思います。読者の中には、今月から働き始めた新入社員もいるでしょう。
そんな若手社員に、「将来、海外で働きたいと思っているのですが、どんなことを心がければ良いですか?」と聞かれることがよくあります。私の答えは、いつも決まってこうです。
「いま目の前にある仕事は、しっかりこなしてください」
過去の実績アピールが最も説得力を持つ
「海外就職」といっても働く場所が変わるだけで、働き方は本質的に大きく変わりません。海外転職する場合も、評価ポイントは国内転職とほぼ同じです。
会社は社員に賃金を払った以上に、会社の業績を上げて欲しいので、確認したいことは「当社が求めるクオリティの仕事をこなすことができるのか?」の一点に集約されます。
コミュニケーション力も語学力も、資格もパーソナリティも、この目的のための構成要素のひとつです。仕事をこなせる証明として一番説得力があるのが、過去の実績。
「前職で○○という仕事をしてきました。この中で××という実績を残しています。御社でも同様の成果を出せると考えています」
というのが、最も説得力を持つのです。
これは野球選手に例えると明確です。メジャーリーグの球団が打率の高い一番打者を求めているとき、「日本の国内リーグで10年間、主に一番打者を務めていました。昨期の打率は3割4分で、過去10年間の平均打率は3割3分です」と言えれば採用になる可能性は高いでしょう。
これに対して、「毎日素振りをしています」「テニスラケットにボールを当てるのがうまいです」「毎日野球中継を見て研究しています」「野球の実績はありませんが、英語とスペイン語ができます」「メジャーで野球をするのが夢なんです」などと言っても相手にされません。
不本意な部門でも実績を上げれば力がつく
海外に行く場合でも、大切なのは国内で実績を残すこと。胸を張って「いままでこれだけの結果を出しました。だから御社でも期待に添うことができます」と言えるだけの実績を積み重ねることが、あなたの将来の選択肢を広げていくのです。
もしかすると、いまあなたは不本意な部門に配属されているかもしれません。自分が将来やりたいこととの方向性が違う仕事を任され、モチベーションも下がっているかもしれません。でも、まずはその仕事で小さな実績を積み上げることが大切です。
実績を上げることで社内での発言力が増し、仕事を選べるようになるかもしれませんし、意外なスキルが身につき、組み合わせ次第で相乗効果を生むかもしれません。
そもそも、仕事なんて自分が思ったとおりに行くことのほうが少ないです。特に海外で働くとなれば想定外の事態のオンパレードです。うまく行かないとき、いかに自分や周りをコントロールするかは非常に重要なスキルであり、人生を楽しむための必須項目です。
本当にどうしてもイヤなら、転職すればいいだけの話。まずは目の前の仕事に集中して、結果を出すべく頑張ってください。(森山たつを)