「独自の商品」の発想は、シンプルに顧客の声から
実際の商品を紹介したほうがわかりやすいかもしれない。引受基準を緩和したがん保険である「ガンになったことがある方も入りやすい みんなのほすピタる 緩和告知型ガン保険(引受基準緩和型特約付帯の新・医療総合保険)」を開発したアメリカンホーム保険に話を聞いた。
商品の特徴について、同社A&Hビジネス部の鯉田淳部長は、
「がんを経験された方が不安な思いで過ごす日々が一日でも短くなることを最優先に考え、がんの入院・手術から2年でお申込みいただける商品を世の中に送り出すことに至りました」
と話す。この商品に申し込む際の健康条件の1つが「過去2年以内にがんでの入院・手術がないこと」である。つまり、がんを経験しても、治療から2年が経過しており、他の健康条件を満たせば、この保険への申込みができる。がんの入院補償も日数無制限だ。がんを経験した人が加入できるがん保険はいままでもあったが、がん治療から経過した期間などの条件は厳しかった。そのため、利用しにくい現状があったという。
さらに、がん経験者以外の人にも、申込みの門戸は広い。
「既往症などのためにがん保険にご加入いただけない方もいらっしゃいますが、できるだけ多くの方の『保険に入れない』不安をなくすために、健康告知に関して、男性3つ、女性4つの簡単な健康条件を満たしていればお申込みいただけるようにしました」
かつて鯉田氏は、がん経験者からの問い合わせも受けていたという。
「当時はこのような商品がなく、くやしい思いをしたこともあります。諦めるのではなく、むしろ『お客様の声に応える保険を、自分たちがイチからつくりだそう!』という想いを強め、新しい保険の開発に至ったのです」
と商品を送り出した背景を語る。
2013年4月で販売から1年になるが、こうした声も届いているという。
「子宮ガンになりました。治療して毎日元気にすごしていますが、定期健診に行くのが怖いです。医療保険には加入していますが、それでもガン補償は追加できなかった。だから、すごくうれしい!」(40代・女性)
今後も、様々なカテゴリにおいて、引受基準緩和型の登場に期待したい。