飲酒運転に厳しい日本では流行らない?
米疾病予防管理センターの調査によると、米国内では2010年に1年間で1億1000件を超える合法な範囲(血中アルコール濃度0.08mg/ml未満)での飲酒運転が行われたという。一日あたり約30万件だ。
また、米運輸省道路交通安全局が2001年3月に行った調査によると、3人に1人が一生のうちに飲酒運転による衝突事故に巻き込まれると言われている。ブレスメーターへの注目は、そうした状況に対するアメリカ市民の問題意識の表れかもしれない。
一方日本では、規定のアルコール濃度に達していなくても、運転前に酒を飲んだ形跡があれば酒気帯び運転になることがあるほど飲酒運転に対しては厳しい。ブレスメーターに対する需要は、そこまで大きくないかもしれない。
しかし、飲食店が飲酒運転を幇助したと言われるリスクを回避するために、店舗に導入する可能性があるかもしれない。クルマで来店した客が飲酒していないかどうか店員が聞くだけでは、客側がごまかすこともできる。しかし、帰りがけにブレスメーターを使ってもらい、異常値が出た場合にはタクシーを呼ぶルールにすれば、問題を防げる。
なおブレスメーターは、基準を上回るアルコール濃度の数値を計測した場合、ローカルのタクシー会社に配車を依頼する機能も実装する予定だという。スマートフォンを活用した新しいビジネスとしても、これから面白くなりそうだ。(岡 徳之)