「特殊用途」の仕事ツールがアニメを支える
「1/24秒計ストップウォッチ」製作の経緯については、サイフォン合同会社のウェブサイトの中で紹介されています。
そのなかでも触れられていますが、製作のきっかけは、国内で唯一のストップウォッチ製造卸売会社でたまたま見せてもらった「1周6秒、1秒を25等分した特殊用途のストップウォッチ」でした。「文字盤さえあれば(機構は)作れるよ」と言われ、それならばと、「1/24秒計ストップウォッチ」が誕生しました。
日本の製造業の強みは職人による匠の技と言われますが、精密機器業界の「特殊用途」のツールがアニメの技芸を支えるというのは面白いものです。
残念ながらこのストップウォッチは、アナログ技術を継承する人材が不足していることや、材料が希少になったことなどの理由から継続して生産されませんでしたが、このアイデアはデジタルストップウォッチとして引き継がれています。
現在、1/24秒計ストップウォッチは「JAniCA Watch 1/24秒計デジタルストップウォッチ」というiPhoneアプリとしてApp Storeで購入できます。実際に1/24秒計を使ってみると、アニメーターの仕事がちょっと想像できるかも知れませんね。(数井浩子)