入社17年目の男性社員が「会社とのつなぎ役」果たす
「女性が本当に食べたいと思う商品にしたい」
「スープ屋さんとして作るスープはるさめにしたい」
そんなメンバーの思いは、最終的に「ごちそう風味」という商品キーワードに集約された。しかし、これを商品で具体的にどう表現すべきか。
入社以来スープづくり一筋の本社開発研究室主任、小隈友香さん(入社8年目)は「素材の風味を感じるもの、手作り感」を実現しようと、これまでに研究成果を集大成したスープにまとめた。
パッケージデザインの見直しに関して、商品開発グループの濱西由布子さん(入社5年目)は、「木のテーブルの温かい質感」と「できたて感を強調した商品写真」を組み合わせ、カラーリングとロゴを100案以上作った。
商品開発グループの木戸亮介さん(当時)は、唯一の男性としてチームをまとめ、検討結果を会社に提案する役割を担った。入社17年目で、容器開発や生産管理の部門を経験し、商品開発グループに在籍。意見は出さず、メンバーたちが働く環境を整えるために「会社との板ばさみになることも多かった」が、得られたものは大きかったと振り返る。
「なでしこチームは、今年が元年。男性社員と同じように仕事を任せることで、メンバーは責任感を強めていった。その結果、社内会議や流通商談の場面でも、女性が主体となって説得力あるプレゼンができるまでになった」
リニューアル後の売上は、前年比約120%の伸びとなり、今後も成長する見込みだ。「なでしこプロジェクト」は一時的なものではなく、今後もメンバーを入れ替えながら継続的にこれからも女性に受け入れられる商品開発を充実していきたいということだ。