リクルートキャリアが2013年4月卒の大学生・大学院生1,645人を対象に調査したところ、民間企業への就職活動を行った学生のうち、2012年12月の段階で実際に就職を決めた大学生は65.6%となり、前年より6.5ポイント増加した。逆に大学院生は前年比8.1ポイント減少し、73.7%だった。
公務員就職や起業、進学、留年などを除き「確定している進路はない」と答えた大学生は19.7%で、前年比で5.6ポイント減ったが、依然として全体の2割程度を占めている。大学院生の進路未確定者は、前年の7.7%から11.5%に増えた。
「何をやるかより、誰とやるか」重視する表れか
進路未確定者が多い層は、文系大学院生の8.2%で、理系大学院生(1.0%)の8倍にのぼる。2年前に就職先が決まらないために進学した人もいるはずだが、現実はなかなか厳しいようだ。
就職希望先企業を選ぶときに重視した条件を尋ねたところ、就職活動を開始したころと、1年程度が経過した昨年12月では大きな変化があった。就活を始めたころには「業種」がダントツのトップ(31.9%)だったが、12月には21.2%と10.7ポイント下げ、2位の「職種」や3位の「勤務地」と肩を並べている。
一方で「一緒に働きたいと思える人がいるかどうか」という条件は、就活開始時の5.4%から11.5%へ急上昇。実際の就職活動を通じて、「一緒に働く人は大事」と気づいた人や、「この人と一緒に働きたい」と入社を決意した人がいることがうかがえる。
もっとも、業種や職種で志望先を決めていたものの、会社説明会や面接を通じて「いやあ、こんな人たちとは働きたくないな」と考え、路線変更した人がいた可能性もある。
その割には、就活において「OB・OGなど社会人の先輩を訪問」(26.2%)や「リクルーターと接触」(25.5%)というプロセスを実際に行った学生は多くない。最終的に「何をするかよりも、誰とするか」を重視する学生なら、早い段階で積極的に行った方がよいだろう。