私が「海外就職研究家」を名乗ろうと思った理由
私は、日本でよい仕事に就くチャンスを逃してしまった人にとって、海外アジアは再出発のよい選択肢になるのではないかと感じています。
私自身、日本で10年以上働いた後に、海外就職を検討しました。日本で働く選択肢もあったし、海外で働くという選択肢もありました。ただ、アメリカや欧州、オーストラリアなどの先進国に関しては、ビザの発給の厳しさから選択肢からは外れていました。
実際、海外アジアで就職活動をしてみると、「自分のように業務経験がある人間じゃなくても、もっと若い経験が少ない人にもチャンスは開かれているんじゃないか」と感じました。
しかも待遇は、若手でも15~20万円と十二分に生活できるレベルです。航空機だって東京―クアラルンプール間がわずか2.5万円ですので、年に何度も帰国する人がいます。「仕事を辞めたら帰りの航空券も買えなくなって、日本に帰れなくなる」なんてこともありません。
ただ、日本の大学や企業のように、一度入ったら安泰ではありません。入り口は多くの人に開かれていて、入った直後の待遇は恵まれていますが、その後のキャリアをどのように積んでいくかは自分次第です。
うまくいくか、失敗するかはわかりません。しかし、選択肢が少なく閉塞している人たちにとっての希望になるものだと思います。私が「海外就職研究家」という奇妙な肩書きで、アジアの実情を伝えることを仕事にしようと考えたのは、このような魅力的な選択肢を多くの人に伝えるべきだと思ったからなのです。(森山たつを)