「アニメーターは貧乏ってホント?」にあえて答えてみる

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金を稼ぎたければ「アニメ以外の仕事がしたほうがいい」

「じゃあ、本当は貧乏じゃないの?」

といわれれば、正直どう答えていいか迷います。しかし、アニメスタジオの社長たちがよく冗談で言っているのは、金を稼ぎたければ他の仕事をしたほうがいいし、赤貧に耐えてまでアニメをやる必要はないということです。

   逆にいえば、「耐えられるくらいのプチ貧乏生活」をしているのがアニメーターかも知れませんが、とはいえ、「人生万事塞翁が馬」です。

   私が20代のころ、金融機関や証券会社の新入社員でもボーナスが100万円を超える人もいましたが、まさか倒産したり統合に追い込まれるとは思ってもいませんでした。

   高給が得られる業種に就職した友人たちはバブル崩壊によるリストラなどで収入は激減し、気がつけば彼らより稼げるようになっていました。

   お金はないよりあったほうがいいとは思いますが、「アニメーターはみんな貧乏」の実体は、メディアによる面白イメージ再生産の産物かなと思っています。「貧乏アニメーターは貧乏?」と聞かれるたびにいつもトホホと思っていたので、今回ちょっと書いてみました。(数井浩子)

数井浩子(かずい・ひろこ)
アニメーター、演出家。『忍たま乱太郎』『ポケットモンスター』『らんま1/2』『ケロロ軍曹』をはじめ200作品以上のアニメの作画・演出・脚本などに携わる。『ふしぎ星の☆ふたご姫』ではキャラクターデザインを担当した。仕事のかたわら、東京大学大学院教育学研究科博士後期課程に在籍。専門は認知心理学
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