金を稼ぎたければ「アニメ以外の仕事がしたほうがいい」
「じゃあ、本当は貧乏じゃないの?」
といわれれば、正直どう答えていいか迷います。しかし、アニメスタジオの社長たちがよく冗談で言っているのは、金を稼ぎたければ他の仕事をしたほうがいいし、赤貧に耐えてまでアニメをやる必要はないということです。
逆にいえば、「耐えられるくらいのプチ貧乏生活」をしているのがアニメーターかも知れませんが、とはいえ、「人生万事塞翁が馬」です。
私が20代のころ、金融機関や証券会社の新入社員でもボーナスが100万円を超える人もいましたが、まさか倒産したり統合に追い込まれるとは思ってもいませんでした。
高給が得られる業種に就職した友人たちはバブル崩壊によるリストラなどで収入は激減し、気がつけば彼らより稼げるようになっていました。
お金はないよりあったほうがいいとは思いますが、「アニメーターはみんな貧乏」の実体は、メディアによる面白イメージ再生産の産物かなと思っています。「貧乏アニメーターは貧乏?」と聞かれるたびにいつもトホホと思っていたので、今回ちょっと書いてみました。(数井浩子)