アベノミクスで賃上げされる人、されない人

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「誰かが何とかしろ」と叫んでいる暇はない

   とはいえ、本当に景気が良くなれば少なくとも企業や資産家にとっては喜ぶべき話なので、筆者もアベノミクスを全否定はしない。「6年前はボーナス10カ月分貰ってました!」という付加価値の高い人や株屋にとっても、また景気の良い時代になるかもしれない。

   ただ、こと賃上げに関しては、多くの人が期待外れに終わるだろう。というわけで、賃上げして欲しかったら「誰かが何とかしろ」とネットで叫ぶのではなく、その時間を使ってお勉強するというのが、たぶん最も確実な給料アップの近道だ。(城繁幸)

※もっとも、自己防衛としての個人勉強だけでなく、正規と非正規の格差にメスを入れる労働市場流動化や再分配のための社会保障制度改革を進める運動に参加することには意義があるだろう。
※上記文中で、筆者は「仮に」という言葉を二つ用いている。「物価も上がって景気も良くなったけど賃金はほとんど上がらなかった」というのはまだいいケースで、物価だけ上がったけれども景気は横ばいというケースや、そもそも物価も上がらないというケースも十分ありえると考えている。その場合、誰も賃上げされないのは言うまでもない。
人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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