グローバル人材を労働市場が求めている。市場の要請に応えるように、東大を滑り止めにしてハーバード大学を目指す「超外向き」学生がいる一方で、多くの高校生は「内向き」傾向にあるようだ。
リクルート進学総研「進学センサス2011」によれば、「実際に留学したい」と考える高校生は3割に留まっているという。
留学への3つのハードルと、見直される寮の教育的役割
なぜ留学しないのか。同調査は「3つの大きなハードル」を指摘している。すなわち、「費用が高いから」「外国語が苦手だから」「治安に不安があるから」という理由だ。
ただ、企業で求められる人材は変化している。そこで各大学では、若者を「日常生活」のなかで、多様なグローバル人材に育てようとする取り組みを広げているというのだ。
こうした取り組みは、リクルートホールディングスの「2013年のトレンド予測」の中で、リクルート進学総研により「寮内留学」と名付けられている。
各大学が、世界各地からの留学生と日本人学生を共同生活させる寮を建設。そこで学生同士を交流させることで、語学力の向上や異文化理解をうながし、グローバル社会に適応できる国際感覚を醸成するというわけだ。
例えば、国際基督教大学では2010年から、外国人と2人1部屋でルームシェアする寮を3棟建設。全学生の4分の1に当たる700人が収容できる。中央大学も、海外留学生と日本人による3人1組のユニットで暮らす寮を建設した。