大企業に入ったことが裏目に出たと気づくこともある
海外で働くことも、これと全く一緒です。インドネシアに転職すれば、いまなら初任給で16~18万円くらいもらえて、運転手付きの車が支給され、綺麗なマンションに住むことができ、物価も安いので金銭的に余裕がある生活ができる人がいるのは事実です。
ただそれは「インドネシアの優良企業に入社すれば、誰もが安定した生活を保証される」という意味ではありません。今後経済が大失墜して日系企業が全部撤退するかもしれない。自身の能力不足でクビになり、再就職先がみつからないかもしれません。大気汚染で身体を壊すかもしれない。
しかしそれは、日本の大企業で働いていても起こりうることです。過重労働で身体を壊すかもしれず、企業業績が大悪化して大リストラが行われるかもしれない。
確かに日本の大企業に運よく入れば、能力不足でもしばらく閑職で雇ってもらえる確率が高いでしょう。でも、大した経験も積まないまま中年になって会社から放り出されたとき、大企業に所属していたことが裏目に出たと気づくこともあるのではないでしょうか。
しっかりとしたスキルを積み上げ、会社に貢献し、お客さまや取引先に価値を提供できる人であれば、学歴が高くなくたって、転職したり起業したりという選択肢が自ずと出てきます。その中から、自分の進む道を選んで時代の変化を乗り越えていく。人生なんてその繰り返しです。
10年以上前に外資系企業に入った私にとって、この考えは当然のことなのですが、実は多くの人にとっては少数派の考え方だったと最近気づかされました。海外就職も日本の大企業も外資系企業も、入社はただのスタート地点。大切なのはその後の道のりをどうやって歩んでいくかということ。頑張って生き抜いていきましょう!(森山たつを)