ある程度のドタキャンは織り込むしかないか
そもそも説明会やセミナーを企業が無料で開催するのは、数多くの参加者を集めることが自社のメリットになるから。ドタキャンを減らすためには、高額な費用を設定すればよいが、それでは参加者が減ってしまう。
結局は、ぜひとも参加したくなるような魅力的な説明会メニューを準備するしかない。「やっぱりなんかつまらなそう」と思わせる企画ばかりなら、ドタキャン率はさらに増えるだろう。
ある程度のドタキャン率は、あらかじめ見越しておくべきだと開き直る人もいる。自分に明らかな不利益が出なければ、利己的な態度をとるのは普通のことだというのだ。
「大学生が非常識だというくらいでビビッてるから、国際競争に勝てねぇんだよ」
企業だって社会的責任を果たさず、義務を守らないくせに、学生にだけ注文を出しているのはおかしいと、筋違いと思える批判をする人すらいる。
「労働基準法をまともに守っていない会社がほとんどだからな。学生の非常識を責められたもんじゃないだろう」
ただ、こういう流れがさらに増えれば、約束をきちんと守り、どうしても守れないときは礼儀正しく詫びる学生が、担当者の好感度を上げるチャンスが増えるかもしれない。
とはいえ、学生の間には困ったときの「詫び文」のマニュアルが出回っているという話もあり、誰が本当に誠実な学生なのか、見分けるのは簡単ではなさそうだ。