長時間労働に苦しむ人が少なくない日本から見ると、天国のような場所があるらしい。フランスの経済紙レゼコーは、米大手タイヤメーカーCEOの手紙を掲載しているが、その中に「フランス人労働者は1日3時間しか働かない」という一節があったという。
ただし、その意味合いはかなり否定的なもの。このCEOは、経営難に陥ったフランス国内の工場買収を仏政府から求められたが、フランス人労働者が勤勉でないことを理由にこれを拒み、「工場買収はバカげている」と返答したという。
アメリカ人の苦言にも「それがフランスの働き方だ」
レゼコーが掲載したCEOの手紙は、工場買収を依頼した仏生産回復相にあてたもの。労働者が「1日3時間」しか働いていない実態について、CEOはこう記している。
「あの工場には2度ほど足を運びましたが、高い賃金の割りにフランスの労働者は働かないことが分かった。休憩と昼休みに1時間、おしゃべりに3時間で、仕事の時間はわずか3時間しかない」
さらに、この問題を労働組合員に指摘したところ、「それがフランスの働き方だ」と相手にされなかったという。会社の収益に責任を持つCEOが「今回(の要請に)は興味がない」と断言したのも無理はないだろう。
そのうえでCEOは「フランスの産業は『生産性の低さ』と『安価な輸入品』という二重の脅威にさらされている」と指摘し、賃金が高いのに働きの悪いフランス人労働者は当社には不必要、としている。
1日3時間はおおげさでは、と思いきや、あながちウソとも言えないようだ。フランス在住で「パリの空の下で」というブログをつづっている日本人女性は、以前よりも改善された点はあるものの「一昔前まではまさしくその通り」と賛同している。
「買い物に行って店員が対応してくれないために何度買わずに帰ったことか」
加えて、フランスの経済がここまで落ち込んだのは「確かに労働者たちのそういう面(勤勉さに欠けていること)もあるかもしれない」とし、「フランスの労働者も少し、心を入れ替えなくちゃいけないかもしれないね?」と記している。