改善の波及効果が大きい海外で「外貨獲得」を!
マニラ市民の時間が大量に浪費されている現実を考えると、世界屈指の効率的な運行を管理している日本の鉄道がシステムごと輸出され、アジアの鉄道の改善を行うことは非常に大きな価値があると思われます。
ただ、日本の「正確すぎるシステム」が世界に定着するかどうかと考えると、必ずしもそのままではなく、現地の価値観の範囲での効率化で十分なのかもしれません。
都内でJRに乗っていて「電車が2分遅れましたことをお詫び申し上げます」という車内アナウンスを聞くたび、海外アジアに慣れた私は「そんなことまで謝らなくていいのに」と思います。もちろん「鉄道は完全に正確に運行されるべきだ」と考えている顧客がいるから、それに合わせているのですが。
個人的には1分の遅れも許さない正確さにリソースを使うより、JRは改善による波及効果が大きい海外アジア鉄道の改善にリソースを使って欲しいと考えています。そして多くの外貨を稼ぎ、それを原資にして国内運賃の値下げをしてくれたらとも。
東京―マニラの航空券は安い日なら2万円を切っており、東京―広島の新幹線代と大差ありません。日本の鉄道会社は国内出張感覚でどんどん技術者を送り、海外アジアの市民たちに快適な電車生活を提供して欲しいなと思うわけです。(森山たつを)