この春、JR東日本がシンガポールに海外アジア初の拠点をつくるというニュースがありました。現地で情報収集やマーケティング調査を行い、アジアの鉄道プロジェクトへの参加を目指すのだそうです。
アジアの実情を知るものからすると、これは非常に素晴らしい取り組みだと思います。なぜならアジアの電車の運行は、ところによりかなり酷い状況になっているからです。
機械の精度低く時間の浪費を強いられるマニラ
私が最悪だと思っているのが、フィリピン・マニラの市内交通です。渋滞の多いマニラ市内を移動する市民の足として、鉄道は非常に役に立っているのですが、日本人の私から見ると非効率きわまりない運営をしています。
例えばこの写真。2つの路線が交差する乗換駅の画像です。線路と線路が交差したポイントから、それぞれ数十メートルずつ離れたところに駅があります。日本でしたら交差したポイントに駅を作り、簡単に乗り換えができるよう設計しますよね?
しかし、マニラではなぜかこのように離れたところに駅があるため、電車を降りてからいったん駅を出て、数百メートル歩いて駅に入り、電車に乗るという行動が必要になります。駅から駅への道も案内看板がきちんとあるわけではないので、初めての人はかなりの高確率で迷います。
また、駅に入る際にボディチェックがあるのですが、男女別の列が1列ずつしかないので、男性だけ大行列などといった非効率なことがよく起こります。
切符の自動販売機がお札を受け付けない上に、コインの認識率も悪く何回もチャリンチャリンと入れないと認識しないので使い物になりません。そのため、みんなが係員のいる窓口で買うので、ここでも長蛇の列ができます。
金属探知機や自動券売機、自動改札という機器を導入しているものの、機器の精度の低さと運営レベルの低さによりきちんと機能しておらず、結局手作業がボトルネックになっているわけです。こういった無駄なストレスが溜まる仕様があちこちにあるので、時間のロスはかなり大きいです。