若いうちに「上りエスカレーター」で自信をつけよう
彼はたまたま海外の働き方が合っていたのかもしれないし、そもそも彼の会社の製品が売れ筋で、それに乗っただけかもしれません。しかし重要なことは、彼は運よく上りのエスカレーターに乗ることができ、そこで仕事をする中で、営業マンとしてのスキルと自信を身につけたということです。
今までは日本市場全体が上りエスカレーターで、先輩のサポートの下で真面目にやっていれば、自然と成長できる環境にあったのではないかと思います。私自身も、ちょうどITバブルの上りエスカレーターの恩恵を受けました。
日本国内で低成長になった今、若いうちに「アジアの好景気」という上りエスカレーターに乗って、成功体験を身につけてみるのも一つの選択肢かもしれません。
もちろん、アジアに来れば誰もが上に登れるわけではないし、日本とは違った苦労もあります。会社・先輩からの手厚いサポートも日本ほど受けられないかもしれません。
そんなリスクを考えつつ、若いうちに自分の身をどこに置くのか、どこで挑戦するのか、いちど落ち着いて考えてみてはいかがでしょうか。日本人が途上国の人たちより有利なのは、どのエスカレーターに乗るのか選択肢が多いことなのですから。(森山たつを)