社会保険労務士・野崎大輔の視点
パワハラなどトラブル回避のルールとして意味がある
社員間のお歳暮やお中元を禁止している会社もあるように、合理的でない慣習を当事者からやめると言い出しにくいため、会社がルール化することがあります。上司から「今年はどんなチョコかな?」と言われて不快に思う女性の部下もいるでしょうし、拡大解釈すれば職場内の優位性を背景としたパワハラに該当する可能性もあります。男性を含めて業務以外で余計な気遣いをさせられるなら排除すべきです。「余計なルール」という声もあるようですが、人事の「バレンタインデー禁止の通知」には、それなりの意味があると思います。
会社がいったん決めたルールは、社員に守ってもらわなければなりません。小さなことから「会社のルールなんて守らなくていいんだ」と勘違いされては困るので、放置すべきではありません。重すぎる処分は難しいですが、人事からA子さんにルールの趣旨を説明した上で、来年以降は守るよう口頭で注意することは可能だと思います。