「仕事とはストレスに耐えること」 そう考えると少しラクになる

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お客のクレーム、上司の注意…。会社員はラクじゃない

   残ったのは、難敵の大手取引先を含む12社。提案書遅れや契約不履行など、さまざまなトラブルが次々と発覚する中で、部員全員が集められ、後任を決める緊急会議が開かれました。

   誰も発言しないまま沈黙の時間が過ぎる中、私は思い切って「では、私にやらせてもらえませんか」と手をあげたのです。それからの仕事は、まさに火中の栗でした。

   「訴えてやる」と息巻くお客さまに誠意をもってお詫びを繰り返し、前任が安請け合いしていたことを「それはできません」とお断りすることもありました。事態が収束するまでには、1年以上の時間を費やしたのです。

   一方で、新たな商談が増えたり、提案力を高める機会を得たりと、得したこともいくつかありました。振り返ってみても、やはり自分がやるしか選択肢はなかったと思います。後悔はありません。

   営業職のストレスの原因には、「お客さまからのクレーム」だけでなく、「上司からの注意」や「同僚からの小言」もあります。それをそのまま受け止めることができればいいのですが、納得できないと気分がモヤモヤしてきます。

   このモヤモヤが溜まると、ストレスになっていきます。積み重なったストレスで心が折れてしまうと、「無理、もうできません」「ギブアップさせてください」と、仕事の意欲が落ちたり出社拒否になったりします。

   こういうときに無理は禁物ですが、ストレスに敏感にならないことも自分の身を守るためには必要です。「仕事にストレスがあるのは当たり前だ」と考えると、気持ちが少しラクになるかもしれません。「仕事とは、ストレスに耐えること」。私は仕事で心が折れそうになると、この言葉を何回もつぶやきます。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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