Q&AサイトのOKWaveに、こんな相談が載っていました。質問者のpunyakoさんは、20代半ばの若い女性。韓国在住のフリーランスで、日本企業をクライアントに通訳や翻訳の仕事をしています。
最近、仕事であることに悩まされています。それは、仕事相手が午後10時すぎに電話をかけてくること。日本からの国際電話なので、「時差が原因」ではありません。
午後10時といえば、質問者さんは自宅で勉強をしているか、寝支度を終えて布団に入っていることがほとんど。そんなタイミングで仕事の電話をしたくないので、これまで一度も出たことがないそうです。
「駆け出しのフリーランスなら受けるべき」
電話を取らなければメールが送られてくるのですが、その内容は緊急性があるとは思えない連絡ばかり。対応は翌日に回しています。しかし、一度や二度ならまだしも、たびたび電話がかかって来るので、質問者さんは考えこんでしまいました。
「フリーランスとして働いている以上、どんな時間帯の電話も出るべきなのかな?とも思っていて…。どうしたらいいのかよく分かりません」
これに対し、回答者のsuzuki0013さんは、留守番電話を使う方法があるとしつつ、クライアントからの電話にはできるだけ出るべきでは、と意見を述べています。
「フリーランス、特に駆け出しという要素でいえば、まだ比較的弱い立場なので、時間外でも連絡は受けたいところだが、どうだろうか」
若くて経験の浅い質問者さんも「そこが私もひっかかって悩んでいました」と応じています。ただ、フリーランスは、ただでさえクライアントに振り回されやすい立場。24時間365日体制で対応が求められると、プライベートの時間がなくなってしまいます。
一方、同じフリーランスのjactaさんは「普通は深夜・早朝・休日の電話対応する必要はありません」と助言します。深夜にメールが来ることもあるけれど、それは退社前にその日の仕事を終えようという相手の都合と解釈しています。
「そんなメールに対して即返事すると、相手も帰れなくなりますし、下手をすると終電がなくなる心配までしなくてはならないので、かえって迷惑です」
「それなりの超過料金をいただく」という強硬論も
そんなjactaさんでも、仕事相手によっては「お互いが納得の上で」、深夜や早朝に連絡を取り合うことがあると認めています。
「書籍を執筆しているときなど編集さんとのやり取りは圧倒的に深夜が多いですし、大学教授とやり取りするときも深夜・早朝が多かったりします」
これでは長時間勤務、不規則な生活になりそうですが…。localtombiさんがアドバイスする防衛法は、かなり強硬。急な対応を求められても、タダで対応すべきではないといいます。
「フリーランスというのは24時間仕事を受けますよ、という意味ではないですから、時間外の対応をどうしてもする場合は、それなりの超過料金をいただく旨のアナウンスも事前に必要です」
残業手当と同じ発想でしょうか。とはいえクライアントとケンカ越しで向き合っても、あまりいいことはありません。E-1077さんは、これまでのように電話に出ない方法を続けたまま、
「今度会った時に『いつも出られなくてごめんなさいね。緊急じゃない限りメールで大丈夫ですよ~』とやんわり釘をさすのがいいんじゃないかな」
と提案します。クライアント担当者の仕事のやり方を上手に軌道修正していくのも、フリーランスに必要なテクニックなのかもしれません。
もっとも、ある元雑誌編集者によれば、夜の10時にフリーランスに緊急性のない電話をすることは普通は考えられない。しかも国際電話。この仕事相手は非常識なのか下心があるのか、ちょっと風変わりな人と割り切るしかないのではとのことでした。