臨床心理士・尾崎健一の視点
パートなど就労条件を変えて継続勤務してもらうことも
入社から時間が経つごとに新しい環境に慣れて、実力を発揮し、勤怠も改善する例はあります。もしもAさんに潜在能力がありそうで、もう少し様子を見る余地があるのなら、パートなど就労条件を変えて継続して働いてもらう方法もあるかもしれません。
時給制にすれば、「始業時間を遅らせて働いた分だけ支払う」「欠勤、遅刻分は控除する」など柔軟な対応ができるので、会社としては損失が少なくなります。Aさんが「正社員じゃなくちゃイヤ」とこだわるならば、始業時間は遵守してもらう必要があります。解雇だと抵抗するかもしれませんが、期限を決めて「ここまでにフルタイムで勤務できなければパートに切り替えますよ」と通知すれば、意外と「じゃあパートでもいいです」と応じるかもしれません。会社としてマイナスにならない延長の仕方、時給制や時短の契約社員など幾つかのパターンを提示して、その中から選んでもらう方法も検討できるでしょう。
(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。