トラブルの相談に乗ってくれる「生命保険相談所」
もし保険会社に保険料の支払いを請求したのに、拒否されてしまい、その理由が納得できない場合はどうすればよいのか。社団法人生命保険協会が運営する「生命保険相談所」では、生命保険に関する相談や照会を受け付けてくれるそうだ。
相談所は保険業法に定める指定機関として、保険会社とのトラブル解決あっせんも仲介してくれる。相談所のアドバイスにもかかわらず紛争に発展してしまった場合、相談所内の「裁定審査会」が第三者の立場から和解あっせんを行う。審査会のメンバーは、弁護士、消費生活相談員、生命保険相談所の職員といった専門家だ。
裁定は非公開で、裁定費は無料。裁判よりも手続きが簡易でスピーディに進み、事情聴取は全国に53か所ある地方事務室からテレビ会議システムを使って行うこともできる。生命保険会社は、提示された和解案を原則受け入れなければならない。
保険会社側も、適切な保険金の支払いを確保するための組織体制を充実させている。榎本氏によると、オリックス生命では2012年3月に独立した「支払審査室」を設け、契約者が支払結果に納得しない場合に再請求できる「再査定制度」を導入しているという。
再査定結果にも納得しない場合には、弁護士や医師等の第三者で構成した「支払諮問会議」に再審査を請求できる。
「トラブルになったら裁定審査会の利用をお勧めしますが、それ以前に最初から支払体制がしっかりした会社を選ぶことも重要だと思いますよ」