臨床心理士・尾崎健一の視点
「静かなアルコール依存症」でないかと心配
突然の午前半休は問題ではありますが、就業規則改定があり、IT技術などを活用することで、課長の言い分に沿った形で「管理職がいつ来て、いつ帰ってもよい」職場を作ることは不可能ではないと思います。そのような先進的なマネジメントを追求する会社が、いずれ出てくるでしょう。ただし、指示・報告の管理ができるインフラを作るなど遠隔地で仕事を行う仕組みなしには、ただの「勝手な課長」になってしまいます。
心配なのは、課長が「静かなアルコール依存症」ではないかということです。本人に自覚がなく、暴力など目立った問題がないため周りもそれと気づかないが、自分で飲酒をコントロールできない依存症が隠れて存在します。「やめようと思ってもどうしても飲んでしまう」とか「二日酔いで仕事を休んだり、大事な約束を守らなかったりしたことがときどきある」などが継続的にあれば、正式な診断を受けた方がいいと思います。病気であれば治療が必要ですし、会社として禁酒を勧告できます。
(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。