「超安定の大手生保」は、人気の就職先に本当にふさわしいのか

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   2013年春に卒業予定を対象とした「就職希望企業ランキング」(日本経済新聞調べ)によると、第1位は日本生命が獲得したという。第5位にも第一生命が入っており、生命保険会社の意外な強さが目を引く。

   生保会社の保険料等収入(売り上げ、2012年3月期)は、上位会社では圧倒的な金額となる。かんぽ生命の6兆8564億円を筆頭に、日本生命の5兆3682億円、明治安田生命の5兆1840億円、第一生命の3兆560億円など、いずれも数兆円レベル。安定性を求める学生の人気を集めるのも理解できる。

実は「遺産」頼り? 新興勢力に押される「新契約件数」

自己分析とともに「各社のビジネスの違い」を理解しておきたい
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   これだけ見ると、「就職先には大手生保」が当然と思われるが、業界関係者によると「手放しでは勧められない」事情もあるようだ。

   保険商品の「新契約実績ランキング」(2012年度決算、保険研究所調べ)によると、個人保険全体の件数では、かんぽ生命と、外資のアフラック、メットライフアリコがトップ3。近年伸びを見せている「医療保険」と「がん保険」では、アフラック、メットライフアリコ、オリックス生命の順となっている。

   ここには、かんぽ生命以外の前述した大手生保の名前が出てこない。その理由は、保有契約と新契約の違いにある。大手生保は、過去に獲得した契約(保有契約)が莫大で、現状ではそこからの利益を多く生み出している状態だ。

   しかし、営業社員制度を採用する大手では、高コスト体質になっているため、当然ながら保険料を割高にせざるを得ない。営業社員の数を減らしつつあるものの、会社全体の体質を変えるには時間がかかりそうだ。

   このため、ファイナンシャルプランナーが寄稿するマネー誌などの保険商品ランキングには、最近は大手の商品がほとんど入らず、「入ってはいけない商品」として取り上げられることも多い。「新契約の商品が割高であることを隠すために、特約などの保障を盛った商品もある」という指摘もある。

   一方、新契約が好調な会社は、商品力が顧客に支持されている。保障内容が合理的で、商品構成がシンプルで分かりやすい点も人気だ。ネット通販や出来高制の代理店、銀行などの販売チャネルを持っているところは、固定費を抑制することができ、それが商品力にもつながる好循環になっている。

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