大手企業「追い出し部屋」の正しい閉鎖方法

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「柔軟に解雇できるルール」を明文化して与えるべき

   では本質的なアプローチはどうあるべきか。それは、企業に一定の条件付きで、柔軟に従業員を解雇できるルールを明文化して与えることだ。それだけで、日本中から追い出し部屋が消え、会社ももっと生産的な業務に専念できるはず。

   解雇された人も心配はいらない。「解雇できる」というオプションがつくことで、彼の再就職のハードルはこれまでよりずっと低くなるからだ。

   現在、政府は、不振が続く電機産業への一兆円投入を検討中だ。特定の産業に税金を投じることは、筆者は非常に大きな問題があると考える。

   政府が有望事業を選んで育てられるとは思えないし、そもそも納税者に対して示しがつかない。なにより、無条件で救済される大手企業を見た若者は、より大手志向を強めることになるだろう。金だけではなく人も浪費することになりかねない。

   市場で敗れた産業に一兆円出すよりも、規制緩和によって市場から一時的にあぶれた人達の支援のために資金を使った方が、長い目で見れば日本社会のためになるというのが筆者の意見だ。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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