「他者の視点」で語らせると地が出てくる
もうひとつの方法は、「あなたは周囲から、どういう人と思われているか」と尋ねることです。人は自分のことを説明するとき、自分に都合のいい部分だけ話したがるので、本当の姿が見えてきません。
しかし、これを「他者の視点」で語らせると、つい地が出てしまうのです。例えば新卒学生と面接するとき、まず確認すべきは学生生活の中身ですが、本人が「サークル活動に頑張った」と答えても本当のことかどうか確かめようがありません。そういうときは、
「学生時代のあなたは、周囲から見るとどういう存在だったんですか?」
「もし私が学生時代のご友人に会いに行って、あなたのことを聞いたらどのように言うと思いますか?」
と尋ねてみると、相手は自分と周囲との「関係」や自分が果たした「役割」について説明しようとするはずです。こうすることで、作りこんだ自己アピールを崩すことができます。
中途採用の場合でも同じです。以前面接した女性の答えを聞いて、私には雑誌編集者として活躍する彼女の仕事ぶりがイメージできました。
「そう言えば上司から、『君はいつも走り回ったり話しまくったりしていて、休みなく動く回遊魚みたいだよね』と言われていました(笑)」
もちろん、ここで咄嗟に「あることないこと」を言える人もいるでしょう。その人はよほどのウソツキなので、諦めるしかありません。(高城幸司)