月給1万円のカンボジア人が「日本語入力」 日本人に残された仕事はあるのか?

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「仕組みを作って回す仕事」ができれば共存共栄

   先進国の国内格差は広がっているといわれますが、世界全体から見ると格差が縮まっているともいえます。途上国の貧困層と、先進国の中流層の格差が縮まっているのです。そんなフラットな世界で、どうやって生き延びていけばいいのか。

   タイ人が5万円もらえているのは、1万円のカンボジア人にはない「日本語入力」の技能を持っているから。高い給料をもらうためには、それに見合うだけの技術が求められます。我々が月に20万円、30万円稼ぐためには、「日本語が使えるタイ人」の何倍もの利益を生み出す技術が必要になるのです。

   例えば、カンボジアにデータ加工の仕事を発注しているのは、他でもない日本人です。ひとつの仕事を複数工程に分割し、タイ人やカンボジア人に効率的に振り分ける仕組みを作ることで、低コストで制作する方法を編み出したわけです。

   この仕組みは会社に毎月何百万円もの利益をもたらすので、仕組みを作って維持管理する人は数十万円の給料をもらえる価値があります。

   我々日本人が考える「普通の生活」は、世界からしてみたら「あこがれの生活」であり、世界中の人から狙われている特権階級の生活です。そのポストを守りながら、他人を幸せにする道はないのか。私は、あると考えています。

   日本が仕組みを作り海外に発注している仕事が、多くのカンボジア人の生活を豊かにしているように、日本人の技術や知恵をアジアに展開すれば、世界のもっとたくさんの人を幸せにし、我々の生活も豊かにできるものだと信じています。(森山たつを)

将来、海外アジアで働く可能性はありそうですか?
ぜひ働きに行きたい
できればいつか働きたい
そうせざるを得ないかも
絶対に行きたくない
森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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