「日本よ、これがアジアだ!」 アジア海外就職の辛いところ

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   アジア海外就職の魅力をお伝えしていると、「そんなにいいことばかり言って人を路頭に迷わせたら、どう責任を取るつもりなのか?」と言われることがあります。

   私は必ず、甘いことばかりではないと付け加えてバランスを取るように気をつけているのですが、海外アジアで働くメリットについて情報提供すること自体が気に食わないのかもしれません。そこで今回は、リスクや辛いことばかりを列挙してみようと思います。日本よ、これが海外アジアだ!

「日本的な職場」に当たるかも? 仕事も意外ときつい

ベトナム、ホーチミンの渋滞。でも、これもビジネスチャンスになる?
ベトナム、ホーチミンの渋滞。でも、これもビジネスチャンスになる?

   海外アジアの日本企業や、そこを取引先にする現地企業で働く人から、仕事の面でよく聞くのが「思った以上に『日本企業』だった」ということです。

   日本の過酷な労働環境からエクソダス!(脱出)と思って海外に出てきたのに、就職してみたらサービス残業、接待続き、意思決定が遅いとかで、日本で働くのと変わらなかったということがそれなりの確率であり得ます。

   海外にある日系企業も、所詮は日本企業。その文化が国内のそれとあまり変わらない、それどころか規模が小さいのでより濃縮され、日本の本社以上に過酷になっている場合もあるのです。

   ただ、企業の規模が100~200人と小さく、トップの意向がダイレクトに会社に反映されるため、トップにいる人が日本企業的志向を持った人かそうでないかによって、企業文化は大きく変わります。そのあたりは、就職活動の面接で見極めることが大切です。

   また、現地人スタッフとのやりとりも難しい場合があります。現地の日系企業は、現地人からしてみれば「外資系企業」。そこには、比較的エリートの現地人が集まります。日本人がアジア海外就職する場合、そんなエリートよりも高い給料をもらうことになります。

   したがって、仕事ぶりは周りから注目されますし、期待通りの働きをしないと彼らからの信頼を得られない可能性もあります。東南アジアの人たちは明るくおおらかな人が多いですが、全員がそうとは限りません。

   彼らに「あの日本人はさすがだ」と思わせるよう、しっかりと結果を出すことが一番大切ですが、同時にできる限り現地の言葉を覚え、積極的にコミュニケーションを取るようにするとよいと思います。

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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