臨床心理士・尾崎健一の視点
仕事のやる気を高めることでサボリ癖を直す
部長が疑っている通り、A君はウソを言っているのかもしれません。少なくとも仕事への意欲が低下しており、「やる気出ないから休んじゃえ」「会社なんていつ休んだって構わないんだ」と思っている可能性があります。しかし部長からすれば、営業マンのA君が休めば、それだけ仕事が進まなくなり売上が減ることになるので、放置しておくわけにはいかないでしょう。
有休の申請理由の真偽は別として、業務目標の達成状況を見て、問題や対策を一緒に考えてはどうでしょう。もしも達成できているのなら休んでいいのでしょうが、達成度が低い場合、その原因を考え、丁寧な指導をすることで仕事に対する意欲を回復させることです。仕事への意欲が上がれば、些細なことや疑わしい理由で会社をたびたび休むことが少なくなるのではないでしょうか。もちろん、「休んではいけない」と言うのではなく、十分な休養は仕事の質を高めますので、有休を計画的に取得させることは必要です。
(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。