「周囲はあなたをそんなに見ていない」 薄毛で悩む男性の3割は「思い込み」

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年2回の抜け毛の季節には「勘違い」に注意

   治療の最大の難しさは、患者によって「治療に対する満足度」が大きく違うことだ。少しの改善でも大喜びで帰る人と、ほぼ健常毛なのに落胆して帰る人がいる。ゴールの定義を一律にできない難しさがある。

   「満足度」が高い患者の場合、生活全体に及ぼす影響は大きい。

「治療の効果が見えてくると、外に飲みに出かけるようになり、ついに合コンに参加できたと喜ぶ人もいました。それを機に、スポーツジムでストレスを解消したり、買い物に行っておしゃれをしたり、規則正しい生活をすることで健康になれば、ますます『髪にとってよい生活』になりますね」

   抜け毛を考える上で知っておきたいのは、人間にも「抜け毛の季節」があることだ。初夏の4~5月頃と晩秋の9~10月頃には、髪の毛が普段より多く抜けることがある。それをきっかけに「ついに来た!」と神経質になる人がいるが、一時的なものである場合もある。

   薄毛で来院後に健常毛と診断される人は、10代では6割、20代でも4割にのぼる。小林院長のもとには、「自分の髪は醜い」と気に病みすぎて精神疾患に近い状態で来院する人もおり、必要に応じてカウンセリングを行ったり精神安定剤を処方したりすることもある。ここが皮膚科や形成外科だけを専門とする他院と違うところだ。

   不確かな情報を元にしたせいで、海藻ばかり食べて体調を崩したり、過度のマッサージで頭皮がボロボロになって来院する人も少なくない。この場合には「悪い習慣をやめさせること」から治療が始まる。民間療法の前に、医学的な診断が大事だという所以だ。

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