リベラルは死んでいないし、保守も勝ってはいない

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「バラマキ、TPP反対」vs「連合べったり」では未来がない

   逆に外交は、保守、リベラルといった価値観からは比較的ニュートラルなテーマとなるだろう。

   かつて与党になったらあっさり自衛隊を承認した社会党を見ても明らかなように、一国の安全保障を考える上で、実はとりうる選択肢は幅広くはない(『世界同時革命』とか『大東亜共栄圏』とか本気で考えるなら別だが)。

   今回の選挙で、古いリベラルは完全に息の根を止められたと言ってもいいと思う。もう二度と彼らが勢いを盛り返すことはないだろう。

   だがそれは同時に、古い保守も真価を問われることを意味する。筆者は憲法改正や外交上の諸問題を決して否定はしないが、それだけを掲げ続ければ安倍政権はすぐに袋小路に追い込まれるはずだ。

   新内閣が成功するカギは、新たな保守を打ち出せるかどうかだろう。外交での保守色はその中で無理のない範囲で行えばいい。一方、民主党の活路は、新たなリベラルを考え出すことだ。

   「バラマキとTPP反対」保守と「連合べったり」リベラルが論点のサッパリ見えてこない政局を繰り返すうちは、国政のグダグダぶりは終わらないに違いない。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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