まっさらな土地に何を作るか ベトナム・ハノイ近郊で見た「シムシティのような光景」

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

求められる「構想力」と「粘り強さ」

   このような「まっさらな土地に何を作るか」という問題は、実は国内にもあります。ベトナムの地とは全く異なる理由で、新しい街を作らなくてはならない東北の被災地です。

   津波で建物が押し流されてしまった場所には、元と同じものを建設すればいいわけではありません。東北の復興プロジェクトに関わっている友人によると、新しい開発を行うために、多くの企業の協力・投資や、地域住民の理解が必要なのだそうです。

   関係者の利害調整、確認説明、広報活動など、やらなくてはならないことは山積みです。それでも、誰かがやらなくてはならない。そして、成し遂げれば多くの人が喜んでくれる。彼はそのことをモチベーションに日々困難に立ち向かっていると言っていました。

   新興と復興という異なるフェーズにありながら、その土地の人のために街を創ることの困難さには通じるところがあります。

   共通して求められているのは、希望に満ちた将来を描き出す「構想力」と、実現のために地道な努力を続ける泥臭い「粘り強さ」。それを追求できるのは「数十年先を見越し希望を創り出す」というビジョンがあるからではないでしょうか。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
姉妹サイト