「日本維新の会」の公約は本当に過激か

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本当に過激なのは誰か

   だが、個人的には維新やみんなの党なんて全然過激でも何でもなくて、むしろ可愛い方だと考えている。筆者がマニフェストを読んで手が震えたのは、実は社民、共産の両党だ。

   両党とも正社員の保護を強め、有期雇用や派遣業の規制を強化、リストラの禁止や最低賃金の大幅引き上げといった方針を前面に押し出している。それらが何をもたらすか、あらためて言うまでもないだろう。

   日本はILOやOECDからも、正社員の保護を弱め、非正規雇用労働者との格差を是正するよう勧告を受けている。両党の雇用政策はそれらに完全逆行し、ごく一部の終身雇用正社員と、その輪の中に入れない人間との間の格差をいっそう拡大させることになるはずだ。

   幸いにして賢明な有権者のおかげで両党が政権の座に就く可能性はゼロだろうが、実現すればもっとも多くの涙が流されるだろうという意味で、筆者はこの両党こそもっとも過激な政党だと考えている(ただし、実行責任を問われない万年野党のPR策としては一定の効果はあるかもしれない)。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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