社会保険労務士・野崎大輔の視点
転勤命令の拒否は「懲戒解雇」もありうると周知すべき
会社として望ましい行為を褒め、望ましくない行為に罰を与える「信賞必罰」は、組織の秩序維持に欠かせないことです。転勤を拒否した場合には懲戒処分を下し、場合によっては懲戒解雇となることを社員に周知した方がいいかもしれません。転勤については、会社の人事裁量権が広く認められています。転勤命令を有効にするため、就業規則に定め、入社時の誓約書に転勤命令に従う旨を記載しておきましょう。
ただし、業務上の必要性もないのに転勤を命じると、権利の濫用として転勤命令が無効になることがあるので注意が必要です。また、解雇する場合も即解雇でなく、本人を説得する機会を設けて慎重に進めたほうがいいと思います。採用時には「転勤拒否は懲戒解雇になりうる」「転勤がイヤならウチの会社は辞めたほうがいい」と強く説明した方がいいでしょう。内定者は減るかもしれませんが、入社して教育した後に辞められるよりはマシなのではないでしょうか。