最近は、友人・知人の誕生日や記念日を「すっかり忘れていた」と言いにくくなってしまった。スマートフォンなどで「お祝いごと」の日を簡単に登録しておけるようになったからだ。
サントリーでは、そんな「お祝いごと」を管理できる「KOTOBUKI(コトブキ)」というアプリを無料で提供している。結婚や出産などの記念日を自分で登録できるのはもちろんのこと、フェイスブックやツイッターの友人の誕生日を自動的にカレンダーに登録したり、メッセージや缶ビールを簡単に贈ったりすることもできる。
大事な書き込みを逃さない「究極のモテアプリ」か
「コンビニコトブキ」では、スマートフォンでクーポンを購入し、お祝いメッセージとともに友人に贈ることができる。送信された友人は、コンビニでクーポン画面を提示すると「ザ・プレミアム・モルツ」と引き換えできる。
楽天ギフトと連動し「ザ・プレミアム・モルツ」の詰め合わせギフトを贈ったり、「樽生達人の店」を探したりする機能も用意されており、相手や機会に応じてリアルなお祝いシーンに導いていくしかけが凝らされている。
「おめでとうリーダー」というユニークな機能もついている。友人がフェイスブックやツイッターに投稿したコメントから、自動的に「記念日」を作ってカレンダーに登録してくれる。
「今日は私たちの結婚記念日!」
「○○ちゃん、誕生日おめでとう!」
といったつぶやきを、もれなくキャッチできる。記念日以外にも「引っ越し祝いにソバをもらいました」などポジティブな感情を表現したコメントを自動的に抽出し、カレンダーに登録してくれる。
ユーザーは友人に対し、アプリから「おめでとう!」とメッセージを送りやすくなる。受け取った友人は、自分の言動をウォッチしてくれる人に決して悪い気がしないだろう。「マメな人は異性にモテる」というが、まさに「モテ支援アプリ」といえるのではないか。
注目されるスマホを使った「ユーザーの行動変化」
サントリーの広報担当者は「KOTOBUKI」を開発した背景について、
「デジタル・ソーシャル技術の発展がもたらすユーザーの行動変化に注目している」
という。スマートフォンを使った友人同士のコミュニケーションを、自社のアプリが支援することで、ブランドイメージを高め、商品の販促にもつなげていこうというねらいだ。
オンラインでの行動を、リアルの店舗での購買などにつなげる「O2O(オンライン to オフライン)」が注目されているが、「KOTOBUKI」もその一環といっていいだろう。
競合のキリンビールも、フェイスブックやツイッター経由で「グランドキリン」を贈れるキャンペーンを11月まで実施していたが、スマホアプリとしての展開は「業界初」という。
サントリーではアプリにあわせ、「KOTOBUKIお祝い研究所」というリサーチ機関を設けて、お祝いごとに関する調査を実施、その結果を発信している。最新レポートでは、「お祝いの言葉は『当日』にかけてあげると◎」などタイムリーなお祝いの重要性を説いている。(岡 徳之)