「アジア海外就職をする方法」について、前回は「現地の人材エージェントに登録する」ステップまで説明しましたが、今回はその続きで「面接して内定をもらう」について説明します。
エージェントに登録すると、案件をいくつか紹介してくれます。ただし、求職者のキャリアや求職するタイミングによって反応は異なり、すぐに案件が出てくる場合もあれば、しばらく出てこない場合もあります。
案件の中から自分の希望に合ったものがあれば、書類選考を依頼し、それに通ると面接という流れになります。面接は、現地に渡航して直接面接するのが基本です。
現地に行けば評価してもらえる「やる気」
現地に行くことの最大のメリットは、案件数が増えることです。日本で案件が1~2件しか来ないような人でも、現地に行くと何件もの案件が出てくることがあります。
これは、エージェントや現地の会社が「わざわざ現地まで就職のために来る」というだけで高く評価してくれるのが理由のひとつです。
海外就職の大きな問題点は、就業先が外国という大きなハードルがあること。コストをかけて飛行機に乗って現地に行き、そこに生活の場を移すのは非常に勇気が要ることです。
現地に面接に来るということは、少なくとも「コストをかけて現地に来る」ことはクリアしているため、現地企業としても「やる気がある」と判断してくれ、多少求める人材とは違っても面接をオファーしてくれることがあるのです。
実際、日本にいる間はさっぱりオファーがなかったのに、現地に行くと次々と面接の依頼が入る人もいます。特に、ポテンシャルを重視される若い人にはその傾向が顕著です。
なお、海外アジアで就職活動をし面接を受けるには、1~2週間の期間と、飛行機代・ホテル代などに10~15万円程度必要になります。
このほか、面接を日本国内でしてくれる場合があります。その方法のひとつが、Skype(インターネット電話)や国際電話での面接。これは一次面接に使われることが多いのですが、Skype面接だけで内定が出ることもまれにあります。
さらに、面接担当者が日本に出張に来る際に、面接をしてもらう方法もあります。現地法人の社長が面接をしてくれる場合などもあり、大きなチャンスです。Skypeと合わせ、求職者にとっては渡航のコストが抑えられるメリットがあります。
数件の面接予定を決めて渡航し、現地でも就活すべし
一方、国内面接には、現地のオフィスの様子が見られないというデメリットもあります。一度も現地に足を運ばずに就職を決めてしまい、実際に行ってみたら「イメージと違う…」という場合もありえますので注意が必要です。
現地に行くメリットは、オフィスの様子を直接知ることができて、会社のロケーションや自分が住む可能性のある場所、交通機関、店や街の様子などを知ることができる、ということです。
オフィス以外は、事前の視察旅行で確認することもできますが、周辺環境は具体的な案件と一緒にチェックした方がよいでしょう。
とはいえ、全く面接の予定がないのにいきなり現地に飛んで就職活動をすることは、まったく空振りに終わる可能性を考えるとリスクが高いです。
できたら、1~2件の面接の予定が決まっている状態で現地に飛び、さらに現地で求職活動をするのがよいと思います。
このあたりは、渡航先や求職者のスキル、時期などによっても事情が変わってきますので、エージェントと相談して慎重に決めましょう。大切な時間とお金を無駄にしないためにも、現地に行くメリット・デメリット、そして現在の自分の状況をきちんと考えて行動することが大切です。(森山たつを)